Chie Blog
経験を備える。~東日本大震災から14年~

「東日本大震災から14年が経ちました」テレビから流れる震災関連の番組を見ながら息子が言いました。
「百聞は一見に如かずだね。」

東日本大震災を知らない子供たちに、少しでも震災に対する理解を深めてほしいと思い立ち、震災遺構を訪ねる旅をしたのが去年の夏休みです。(https://climb-akita.com/blog/14849/) 気仙沼市東日本大震災遺構・伝承館を訪ね、様々な気持ちを持ち帰った子供たちだからこそ、今朝の番組を見て思うところがあったのではないでしょうか。実際に震災を体験したわけではないけれど、震災遺構となっている場所を見て、体験者の方々の話をじかに聞くことで、知識として「知っている」よりも、よりリアルに震災を体感できるようになっているのだと思います。

私は、Climb(クライム)でキャンプ用品やアウトドア用品を扱う仕事をしています。これらの道具は、遊びの道具であると同時に防災に役に立つ道具であることをお客様にご紹介してきました。様々な道具や食料品・飲料水などを備えておくことも必要ですが、今朝の息子の言葉に「経験を備えておくことがとても大切なのではないか」とあらためて気づかされました。

一度ならずも二度三度と起こる可能性がある災害。起こってしまえば、日常に戻るまでに長い時間を必要とする場合もあります。その間、いかに心を健康に保ち、復興への希望を持ち続けられるかということを考えると、「自分で考え、工夫して生き延びる」経験をいくつも備えておくことが一つのカギになるのではないかと考えました。その疑似体験が「キャンプ」ではないでしょうか。

キャンプは、自らテントを建てて居住空間を作る。火を起こして食事を作る。遊びを考える。快適に過ごす工夫を重ねる。など、日常の不便を解決しながら楽しむ体験と言えます。キャンプ場は、ネット環境が無いところもあるので、メディアやネット環境から離れて過ごす体験にもなります。楽しみながら工夫しながら一日を過ごす経験を重ねることで、もしもの時に耐えうる心も鍛えることができるのではないでしょうか。

春です。キャンプやアウトドアを気軽に楽しめる季節がやってきました。家族や仲間と一緒にキャンプに出かけてみませんか?はじめは面倒だったり大変だったりすることもあるかもしれません。でも、一緒に体験すると楽しい思い出にもなる。食品や防災用品を備蓄することと併せて、キャンプの体験を重ねておくことも災害への備えとしておすすめしたいと思います。